三浦 正勝さん

三浦 正勝さん

愛知県出身、自動車部品メーカーで勤務。その後今庄つるし柿に興味をもち、生産会社「杉休」を設立、つるし柿の販路は海外にまで広がっています。

全国各地には、その地域ならではの伝統的な食文化がありますが、福井県南越前町今庄には450年前から作り続けられているという「今庄つるし柿」があります。そんな伝統的な食文化を守る人と聞くと、どんな人を想像するでしょうか。今回は、移住者ながら、その地域に伝わる伝統を将来に残していきたいと考え、行動する三浦さんにお話を聞いてみました。

福井に飛ばされたんです。
けど、これが今の私への大切な
ターニングポイントになりました。

私は愛知県出身で、大学を出て、地元の自動車部品メーカーで技術者として働いていました。会社でもそこそこの実績をあげていったのですが、26年前に福井への転勤を言い渡されました。私はこれが越前への島流しだと勝手に思っています。

福井では定年退職になるまでの10年間ほど会社に勤めていました。そんなある日、この南越前町に住む方に出会って、遊びに来たのですよね。そこから、この地域との交流が始まり「今庄つるし柿」のことを知りました。そのときは「美味しいなぁ」と思う程度です。

この地域に関わる中で、会社を定年退職したらここを終の棲家にしようと思うようになりました。そこで、今庄で空き家を借りることにしました。この借りた家に今庄つるし柿を作るための道具が一式揃っていたんですよね。だから、「これは作れるな」と思い、見よう見まねで作ってみることにしました。

「こんなん干していたら、集落の恥だ」と言われました。

見よう見まねで作り出したつるし柿ですが、誰かに教わっていたわけじゃないから、我流だったのですよね。乾燥させようと干していたら、近所のばあちゃんから言われました。「三浦さん、こんなん干していたら、集落の恥だ」って。そう言いながらも、作り方を丁寧に教えてくれました。10年間、作り方を教えてもらいながらやっていたら、まぁまぁなものができるようになったのです。あのとき、やってみたからこそ、教えてもらうことができ、今があると思いますね。

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